時の風

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中村紘子

2005/12/16 北とぴあ さくらホール 開演19時

中村紘子

僕が中学の頃、姉からもらったミニコンポでいろんな音楽を聴き始めて、クラッシックも聴きたいなと思い手にしたショパンのCD−それが中村紘子だった。

透き通るようで繊細な旋律や逆にダイナミックな激しい演奏を巧みに操ったその演奏は十数年経つ今でも鮮明に覚えている程印象強いものだった。

コンサートが東京都北区王子の北とぴあであると知り、今回は是非生で聴きたいと足を運んできた。会場は生のピアノの音が大体届くと思われる程度の大きすぎないようなホールで、自分はちょうどピアノを演奏している鍵盤と指が見える左斜めの席で見ることが出来た。

ピアノに座るまでは普通の方なのだが、鍵盤の前に立って弾きはじめた瞬間、会場を包み込むような旋律、表現はあれだがまるで取り憑かれたかのようにピアノと一体化した演奏は素晴らしいとしかいいようがない。

僕が良く行くライブではステージと観客が一緒になって盛り上がっているようなそんな雰囲気の時が多いが、このコンサートは打って変わって、中村綾子の芸術性があふれて、それが観客を圧倒するような、自分にとってまたいつもとは違った刺激を与えてくれた。

観客のアンコールに何度も応えてくれる気さくさも素晴らしかったです。リストやショパンの演奏も聴けおなかいっぱいで帰ることが出来ました。機会があればまた聴いてみたいなあ。

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Pixies

2005/12/05 Zepp Tokyo 開演19:00

あの時代に音楽シーンを変えた1バンドが目の前で変わらぬ音を出す。これだけでもう即倒ものなのに…。30曲はやっただろうか…ほぼノンストップ演奏。フロアは異様な熱気に包まれ続けたまま僕は押し寄せてくる観客の波に押しつぶされるようにはじき出されていった(笑)

もう中年太りでまるまるなのに叫ぶ叫ぶボーカル。タバコふかしながらベース弾くか普通?ドラムはもうじいさんに見えるんですけど…。ギターは渋いポジションキープでおいしい存在か。

並びに並んだマーシャルアンプ4台からはき出される爆音はダイブ、モッシュを引き起こし…。いやあとにかく熱かった。理屈抜きで。

かのグランジ/オルタナ時代の火付け役となったピクシーズをフジロックに続いて拝めたことは本当に涙が出るほど感動でした。ありがたやありがたや。

PIXIES
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COLDPLAY

私が高校の時、ものすごいペースでカラオケに行っていた。週3ペースくらいで。「お時間は?」という店員の声に平然と「5時間。」とかむしろフリータイムよりも濃い入り方していたものだ…。

その頃のカラオケの友達から、「別に相手に合わせないで自分の歌を歌えば良いよ。」と言われた。今から思えばその友達はかなり音楽的に進んだ人で、俺が流行の曲を聞き漁ってる時期に、カートコバーンが死んだことにショックを受けて自分の生き方を考えるような人だった。

高校の時にその言葉の意味をきちんと読み取れていれば…とふと思いもするが成長のペースというのもあるのでそれはしょうがないとして、今はその言葉のおかげで一生音楽を続けていこうというモチベーションを持てている。自分の歌を歌えばいいと。

今回はCOLDPLAYを紹介する。2000年にリリースされた1st Album「パラシューツ」から2002年2nd Album「静寂の世界」、今年発売された3rd Album 「X&Y」。彼らはブリティッシュバンドの新しい波としてパラシューツからグラミー賞受賞などの高い評価を得て、また、その評価に全く劣らない素晴らしい音楽性をデビュー当時から完成し、今なお成長し続けている。

COLDPLAYはFUJIROCK03'にて貴重な生での音楽の体感を受けることが出来た。彼らはグリーンステージの広さをものともしないような音楽から発するオーラによって観客全体をのみこんだ。勢いでおしていく最近のムーブメントとは全く異次元の、洗練されたメロディは何事にも耐え難い感動を伝えてくれた。

Guy Berryman(B.)1978年4月12日 スコットランド・ファイフェン生まれ。Jonny Buckland(G.)1978年9月11日 ロンドン生まれ。Will Champion(Dr.)1977年7月31日 イングランド、サザンプトン生まれ。Chris Martin(Vo.&G.&Piano)1977年3月2日 イングランド・デヴォン生まれ。この4人の友達がCOLDPLAY。私と全く一緒の同世代。全く一緒の時代を彼らと共有できるというすばらしさをかみしめながら一緒に歩けたらな、そう思う。

PARACHUTES1st Album 「PARACHUTES」

2000年8月リリース。デビューアルバムにして大ブレイク、400万枚セールスを達成した。コールドプレイのアルバムの中ではピアノやギターのアコスティックな楽曲が多い。フジロックの時、クリスがピアノを奏でて歌った"TROUBLE"は鳥肌ものだった。まだ荒っぽい音が見られるアルバムである(そう言ってもすごく高い水準の話ではある)が統一された雰囲気がある全体のバランスの良さは素晴らしいものがある。シングルカットされている"SHIVER"、"YELLOW"も感動の一言だが、是非通して何度も聞いて欲しい。



A RUSH OF BLOOD TO THE HEAD2nd Album 「A RUSH OF BLOOD TO THE HEAD」

2002年8月リリース。アルバム名の和訳タイトルは「静寂の世界」。このような和訳がどのような経緯を経て決められるかはよくわからないが、むしろ、 「憂鬱」「迷い」「怒り」「悲しみ」のような衝動を描写されたように思える。グラミー賞受賞曲"Clocks"、シングル曲「In My Place」の美しさは他の追従を許さないほどの完成度だ。しかし、私はこの2曲が突出しすぎてアルバム全体では、との感があるが…。このアルバムも1st以上のセールスを果たした大ブレイクアルバムだが、コールドプレイを確立するための試行錯誤が見受けられるアルバムに思える。



X&Y3rd Album 「X&Y」

2005年6月リリース。アーティストとして非常に高い領域に登り詰めたCOLDPLAYが1年半かけてリリースされた3rdアルバム「X&Y」はまさに「コールドプレイが完成した」といえよう。リスナーの中には前よりも感動が無いなどと辛口の評判もあるようだが、聞けばコールドプレイと分かるオリジナリティがあるということが素晴らしいということを再認識して欲しいなとは思う。パラシューツによってその名を知らしめ静寂の世界によって不動の地位を確立したという素晴らしい功績も彼らにとっては現在に至るためのただの「過程」に過ぎない、そう思わせる程の完成度の高さだと感じた。



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