時の風

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COLDPLAY

私が高校の時、ものすごいペースでカラオケに行っていた。週3ペースくらいで。「お時間は?」という店員の声に平然と「5時間。」とかむしろフリータイムよりも濃い入り方していたものだ…。

その頃のカラオケの友達から、「別に相手に合わせないで自分の歌を歌えば良いよ。」と言われた。今から思えばその友達はかなり音楽的に進んだ人で、俺が流行の曲を聞き漁ってる時期に、カートコバーンが死んだことにショックを受けて自分の生き方を考えるような人だった。

高校の時にその言葉の意味をきちんと読み取れていれば…とふと思いもするが成長のペースというのもあるのでそれはしょうがないとして、今はその言葉のおかげで一生音楽を続けていこうというモチベーションを持てている。自分の歌を歌えばいいと。

今回はCOLDPLAYを紹介する。2000年にリリースされた1st Album「パラシューツ」から2002年2nd Album「静寂の世界」、今年発売された3rd Album 「X&Y」。彼らはブリティッシュバンドの新しい波としてパラシューツからグラミー賞受賞などの高い評価を得て、また、その評価に全く劣らない素晴らしい音楽性をデビュー当時から完成し、今なお成長し続けている。

COLDPLAYはFUJIROCK03'にて貴重な生での音楽の体感を受けることが出来た。彼らはグリーンステージの広さをものともしないような音楽から発するオーラによって観客全体をのみこんだ。勢いでおしていく最近のムーブメントとは全く異次元の、洗練されたメロディは何事にも耐え難い感動を伝えてくれた。

Guy Berryman(B.)1978年4月12日 スコットランド・ファイフェン生まれ。Jonny Buckland(G.)1978年9月11日 ロンドン生まれ。Will Champion(Dr.)1977年7月31日 イングランド、サザンプトン生まれ。Chris Martin(Vo.&G.&Piano)1977年3月2日 イングランド・デヴォン生まれ。この4人の友達がCOLDPLAY。私と全く一緒の同世代。全く一緒の時代を彼らと共有できるというすばらしさをかみしめながら一緒に歩けたらな、そう思う。

PARACHUTES1st Album 「PARACHUTES」

2000年8月リリース。デビューアルバムにして大ブレイク、400万枚セールスを達成した。コールドプレイのアルバムの中ではピアノやギターのアコスティックな楽曲が多い。フジロックの時、クリスがピアノを奏でて歌った"TROUBLE"は鳥肌ものだった。まだ荒っぽい音が見られるアルバムである(そう言ってもすごく高い水準の話ではある)が統一された雰囲気がある全体のバランスの良さは素晴らしいものがある。シングルカットされている"SHIVER"、"YELLOW"も感動の一言だが、是非通して何度も聞いて欲しい。



A RUSH OF BLOOD TO THE HEAD2nd Album 「A RUSH OF BLOOD TO THE HEAD」

2002年8月リリース。アルバム名の和訳タイトルは「静寂の世界」。このような和訳がどのような経緯を経て決められるかはよくわからないが、むしろ、 「憂鬱」「迷い」「怒り」「悲しみ」のような衝動を描写されたように思える。グラミー賞受賞曲"Clocks"、シングル曲「In My Place」の美しさは他の追従を許さないほどの完成度だ。しかし、私はこの2曲が突出しすぎてアルバム全体では、との感があるが…。このアルバムも1st以上のセールスを果たした大ブレイクアルバムだが、コールドプレイを確立するための試行錯誤が見受けられるアルバムに思える。



X&Y3rd Album 「X&Y」

2005年6月リリース。アーティストとして非常に高い領域に登り詰めたCOLDPLAYが1年半かけてリリースされた3rdアルバム「X&Y」はまさに「コールドプレイが完成した」といえよう。リスナーの中には前よりも感動が無いなどと辛口の評判もあるようだが、聞けばコールドプレイと分かるオリジナリティがあるということが素晴らしいということを再認識して欲しいなとは思う。パラシューツによってその名を知らしめ静寂の世界によって不動の地位を確立したという素晴らしい功績も彼らにとっては現在に至るためのただの「過程」に過ぎない、そう思わせる程の完成度の高さだと感じた。



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フジ子・ヘミング

フジ子・ヘミング - ラ・カンパネラ
先週の土曜日、なにげに付けたテレビでやっていた菅野美穂が演じる「フジ子・ヘミングの軌跡」を見て感銘を受けた。見るつもりではなかったのだが2時間強、がっつり見てしまった。

イングリット・フジ子・フォン・ゲオルギー・へミングは大月投網子とロシア系スウェーデン人の画家・建築家ジョスタ・ジョルジ・へミングを両親としてベルリンに生まれ、5才の時に日本に帰国、母の指導の元にピアノを弾きはじめたそうだ。耳が不自由で右耳は子供の頃から聞こえず、左耳も現在でも50%程度でピアニストとしては多難な人生だそうだ。30弱にしてドイツに難民として(国籍がないので)留学し、30年間ヨーロッパの各地を渡り歩いて帰国、その後、世界的に評価されるピアニストになった遅咲きの方だそうだ。

ドラマの話としてはフジ子は天才的な演奏と言われながらもなかなか社会的に成功せず、ドイツに留学後も生活もままならない状態ですごした非常に不幸な描写が目立っていたが、私が見た感想としては、世界的なピアニストになるという自分の夢に向かってとにかく打ち込めていたという事実からしてその人は生活が苦しかろうが何だろうが幸せである事には変わりないように思った。経済的理由やその他家庭環境など、やりたいことが合っても出来ない人はたくさんいる中で、自己中心的に、自分のやりたいことに向かうということができてるんだから、どんなに苦しくてもそれはそれは詰まるところ自分で望んだ結果生まれたものであることを忘れずに突き進んでいって欲しいとおもう。

フジ子・ヘミング公式ページ
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