時の風

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ライブレポート

special

ストレイテナー  4.29 渋谷クアトロ

文: asu

 実はアルバム1度流し聞きしたことしかなくって、しかもそんなにいいなあとも思わなかったストレイテナー。もう若者ではない私には、耳をつんざくギターや切なげな(と勝手に思ってた。男のくせにと)ボーカルがどうにも合わなかったのだ。またこんなんかよ〜、近頃の若者の音楽だなあ。
それであんまり期待せずにライブに行ってみたら・・・

 うわああー!!いいー!!
 泣きそーだ。

 20分ほど遅れて入ったんだけど(ばかなので会場を間違えた)既に入り口からほとんど動けないほどの大盛況でした。お客さんはたぶん10代から20代前半の若い人が多くて、比較的女の子が多かったかな。入ったときはちょうどギターの叫ぶタテノリの曲をやり終わって、おそらく1度目のMCにはいったとこだったので、みんなが笑ってる間にこっそり人を押しのけて、まずは向かって左側の柱の裏地点へ。そこで一息ついてから左脇のほぼ最前までいって腰を落ち着けました。だけどこの人らのMCってホント普通なんだなあ。男友達が喋ってるみたいというか。場内からは黄色めの声援に混じって、「ホリエー」と男性の声も聞こえました。
 短いMCが終わり、あとはもうひたすら曲、曲、曲がたたみかけるようにつづきます。うわー、ギターが空気を切っているわ。切り取っているわ。鋭い刃で切り取られた、あせた精緻な絵のような彼らの心象風景に、私のハート揺り動かされっぱなし!前にいる女、突っ立って見てんならどかんかい!とばかりに(ちょっとだけ)前に出てうねりに身を任せました。
 だってなんかすごいんだもん。オーラというかパワーというか。
 基本的にいわゆるギターロックで、ギターが奏で、ドラムとベースはしっかりそれを支えるという風に見えました。3ピースなのでギターボーカルの人は動けないけど、ベースはなかなか激しく上体を振っており、なんかノリがちょっと違うような気もしたけどただ思っただけなのであんまり意味なし。
 歌詞はほとんど聴き取れず。だが、楽曲の雰囲気は例えてみるならば・・たくさんの失ったものを、二度と戻ってこないことを知りながら、数えて立ちつくしてる感じ。喪失感。かといって途方に暮れてるんじゃなくて執着してるんでもなくて、確かに救いは感じつつそれでも置いてきたものと失った自分について歌っている。ってかんじ。
 かなり自分勝手な解釈をしましたが、ストレイテナー初心者だしまあよかろう。
 アンコールで新曲を演奏していましたが良かったですよ。
 いや、ホント泣きそうだった。だからなんだといわないで。